R7,1,14
先日、お客様の年金保険料の納付要件について、
どうしても窓口で直接確認したい点があったので
年金事務所の窓口に予約を取ってから確認をしてもらいました。
お客様の年金保険料の納付履歴で、
「退職直後の保険料の納付がされているかどうか」
の確認。
月末まで在籍されていた場合は、その月まで保険料は引き落としされている=納付されているので、
さほど心配は無いですが、
月の途中で退職、特に月末の1日前退職の場合は、その翌日(=月末)に再就職していないと、
その月の保険料は個人の負担となります。
よくあるのが、歴月の途中での退職により、その月分の保険料の納付がされていなく、
年金保険料が未納の月となり、障害年金の受給要件を満たさないケース。
お客様ご本人様にとっては年金保険料の納付について詳しくないので、
そのような滞納しているとの認識が無く、滞納のまま終わらせていることが
障害年金の手続ができない要因のうちの大きな理由の一つ。
今回のお客様は、退職後の保険料もしっかりと納付されていましたので一安心。
年金保険料の納付など年金事務所で確認してもらったほうが確実なのですが、
いままでは予約が2週間先や1か月、2か月先でないと取れないとか、かなり混雑していたので
業務に支障がでておりましたが、
最近はどうやら落ち着いてきて、数日先で予約が取れる状態となっている様子。
これには助かっています。手続きも進めやすくなりました。
ある顧問先の従業員さんが、「年金相談で1か月先の予約をとり、その日は有休をとっていくつもり」
と話してくれましたが、年金相談が一大イベントとなってしまっていたあの頃からは、かなり良くなっているので本当によかったです。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
R6,12,31
今年の障害年金手続きについて、
特に強く感じたこと。
全体的に年金機構の裁定が厳しくなっている点。
いままでもインターネットなどで
裁定が厳しくなると言われ続けていましたが、
認定基準に添っての判定なので特に大きな違いは無いと感じていました。
ところが、
今年に関しては、今まで認められてきた内容でも不支給決定を受ける等
明らかに厳しくなっています。
認定医の判断について、担当職員によるそれぞれの決定というよりも、
組織による意思決定を感じさせるといった感想を聞くこともありました。
それにともない、
今年は不服申立についての御依頼が増加しました。
来年も同様の御依頼が増加すると予想します。
専門性の高い内容であるからこそ社労士の活躍が必要となります。
R6,12,29
今年の障害年金手続きに関する疾病について見返すと、
例年なら鬱病が多かったのですが、
今年は割合としては少なくなり、
そのかわり関節に関する障害が増加しました。
内容も、
1種類の疾病だけでなく併合認定にかかわるような2種類以上の障害に関する手続が増えており、
より複雑なプロセスを踏まなければいけないケースが目立ちました。
このように、1年間の手続きを見返すと、
例年の傾向に特徴があり興味深いです。
来年は、障害年金制度について随分久しぶりな法改正の可能性もあり、
障害年金手続きや御依頼の傾向がどのように影響するのか注目です。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
R6,12,4
顧問先へ訪問する途中。
兵庫県三木市、「子午線塔」で時間合わせ。
日本の標準時、東経135度線が通っている市、
京丹後市、福知山市(以上京都府)、豊岡市、丹波市、西脇市、加東市、小野市、三木市、神戸市西区、明石市、淡路市(以上兵庫県)、和歌山市(和歌山県)。
それぞれに標識やモニュメントがたっているとのこと。
そんななか、明石市だけが有名なのは
日本で最初に標識をたてたことにより、子午線のまち といわれるようになったそうです。
先見の明があったということですね。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
R6,11,16
専門家の社労士ですら判断に迷う案件の御相談を受けることが増えてきました。
初診日との因果関係の有無、複数の傷病、受給事例の少ない傷病、など。
「他の社労士に依頼していますが、いまいち説明がよく分からないので
御相談だけでもよろしいでしょうか。」
といった御相談内容。
御相談者様の手続きについての方向性が決まるところまで一緒に検討、
そこまではお代は頂いておりません。
むしろ、事例としての情報を頂く事になりますので
御相談はありがたいことです。
さて、社労士でも迷う御相談を頂いた結果、方向性が一つに絞れたら分かりやすいのですが、
二つ三つ、四つと選択肢が分かれることが多いです。
このケースではメリットは・・・、デメリットは・・・、
といった感じで、最終的には御本人様が一番よいと感じた選択肢を決定していただくことになります。
その後の実際の手続きについては、他の社労士先生に依頼するケース、
引き続き松崎に依頼を頂けるケース、
それぞれですが、
御相談によって様々な情報をいただき、検討することが知識の幅を拡げ大変勉強になります。
方向性をみつけるところまで一緒に検討することについては、お代は頂いておりません。
頂いた情報が報酬と考えております。
お電話、メールにてご遠慮なく御連絡下さい。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士事務所 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
R6,10,18
何件か企業様から顧問として契約を頂いていますが、
2,3年前までと比べて、昨年と今年は労災や傷病手当金の申請増加が顕著です。
特に労災については、被災者が普段絶対しないような不注意が原因で
大怪我をするケースが立て続けに起こるなど、
いままで労災の手続きはなかった企業でしたが、
労基署を訪れる機会が増えてしまいました。
被災者は後遺症が残る可能性があるので、
労災での「障害補償給付」、厚生年金での「障害年金」、
どちらも視野に入れて今後の回復状況を確認していきたいと考えています。
R6,10,11
不服申し立てや審査請求について御相談を頂く機会が多いです。
このような御相談が増えているということは、
それだけ年金機構の裁定が厳しくなってきているのでしょう。
御相談を受けながら、できるだけお手伝いができるように心がけていますが、
不服申し立ては提出した診断書等の資料を基にして主張しなければいけません。
提出した後に結果が思う通りでは無かった、という場合でも
提出した資料を根拠に不服を申立てる・・・。
「先生が誤記入をしたため」
このような理由は御本人様が悪くないにも関わらず、最終的には認められなかった、
ということもよく聞きますし、私も経験がありました。
提出する前に、よく内容を確認してから提出しましょう。
そして、
提出した資料はコピーをとって保管することをお勧めします。
R6,10,2
『豆腐の日』
『第2営業日』です。
顧問先様の月末締めの給料明細作成などで
忙しい日となります。
そんな中、障害年金の反復性うつ病に関しての診断書を先生に依頼してましたが、
依頼してから数日で完成、郵送してくれました。
内容を確認するとミスもなく申し分ない内容。
特に、別病院で診断されていた状況についても
細やかなフォローが記載されており、
先生のお人柄が伝わってきます。
松崎の ” お勧め病院 ” へ登録しなくちゃ。
障害年金請求書もすぐに年金機構へ提出しましょう。
きっとスムーズに認定されると予想しています。
R6,5,31
「月末」です。
障害年金の事後重症手続きの場合は、提出した日の翌月分から年金支給となります。
今日、提出できれば6月分から年金支給、
今日、提出できなく6/3(月)に提出したなら7月分から年金支給。
今日、提出できるか否かは、主治医の先生に修正をお願いしている診断書が出来上がっているかどうかで決まります。
あさイチで確認して、出来ていればすぐ提出。
毎月あわただしい月末です。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
●R6,5,29
『初めて2級』に該当。
2つの障害をお持ちで、前発障害は3級または3級に届かない程度。
後発障害は初診日が国民年金加入期間中、3級程度。
どちらも単独では障害年金受給はできない状況。
しかし、「はじめて2級」という制度に該当。
『前発障害が3級以下の場合で、後発障害と併合して初めて2級以上となる場合』が初めて2級といわれる制度です。
障害年金を受給したいが単独では届かない、しかもそのような障害を複数お持ちである、といった場合には
併合認定の可能性を検討されてみてはいかがでしょうか。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
●R6,5,12
人工股関節の置換術を受けていたので
勤めながらでも障害年金の受給は可能でしょうか?
という御相談を頂きました。
人口関節置換後、障害年金3級に該当します。
所得を得ながらでも受給は可能です(20歳前障害を除く)。
人工関節のひとは多少不自由でも自力で動くことができるので、仕事内容の制限も大きくない事、
さらに障害者雇用率を上げるという点で企業側に大いに貢献できることもあり、
手術後も病気が原因で退職という話はあまり聞こえてこないです。
お仕事が忙しかった為、障害年金の手続きができず、そのまま数年経過しているケースも少なくないです。
人口関節は置換術の日が障害年金の障害認定日の特例に該当しますので
手術をした日か、初診日から1年6か月経過した日の早い方で手続きを御検討してみてください。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
●R6,4,26
化学物質過敏症で今まで2級の年金受給が認められていた症状の重さにより提出していたが、
判断基準が変わったのか、なぜか不支給決定。
処分内容に不服ということで審査請求書を一昨年11月に提出。
棄却の決定が約半年後の昨年6月に届く。
こちらも処分内容に不服でしたので再審査請求を同月内に提出。
あれから10か月経過しようとしているのに
まだ結果が届かない。
再審査請求を審査する社会保険審査会も、不服申立が多いのでしょうか。
何が原因で決定が遅れているのか、大変興味深いです。
いままで認めていた内容について、どのような裁定を下すか、
もし棄却ならどのような理由になるのか、
こちらはもっと興味深いです。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
●R6,3,13
おかげさまで、障害年金について遠方のお客様からの御依頼も増えてきました。
電話・メール・郵送で手続きが可能。
全国の年金機構のうち、どこに提出しても受け付けてくれる事が大変ありがたいですね。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病のほか、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
●R6,3,5
障害年金手続きに添付する『受診状況等証明書(=初診日証明)』の作成を整形外科医院に依頼。
当然一旦預けて後日受け取りのながれになると考えていたのですが、
「当医院の院内規定で、預かることができません。本日中に作成してお渡しします。
他の受診者が多いので数時間後になります。またこの時間に受け取りにいらしてください。」
と、” 一旦預けて ” 数時間後に受け取りに伺いました。
キッチリと仕上げてくれていて、数日かかる見込みが1日で。ありがたい。
と、同時に2つの疑問が。
受診状況等証明書は記載内容のボリュームが少ないのですぐに対応できるかもしれませんが、
一つ目は、もしこれが診断書だった場合、果たして同じように当日中に仕上げてくれたのでしょうか?
二つ目は、「院内規定で預りができない」とのことですが、院外で他の仕事ができるために、数時間あずけて拘束を解いてくれたことはありがたかったのですが、これは院内規定にひっかからないのでしょうか?まぁ、私の立場ではただただありがたかったので、不満は無いのですけど。
自身に厳しい規定を持つある整形外科医院。
診断書の依頼をするときはどうなるのかと、気になった病院でした。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
●R6,2,21
ある心療内科の病院で依頼してました診断書ができあがったので受取後、内容確認。
お客様より「主治医の先生は、あまり障害年金について前向きではない」
と伺ってましたので、出来上がった診断書はさぞ厳しい内容だろうと予想していました。
しかし、
実際はビックリするほど実情を反映してくれていましたので、
お客様とコレはこのまま提出できますね、再検討の依頼も必要ないですね、
と喜んでいました。
一方、
別のお客様の診断書を別の病院で依頼してましたが、
こちらの主治医の先生は、よく患者様の意見を聴いてくれることで有名。
私もはじめて診断書の作成をお願いしましたが、とても評判が良いので、
出来上がった診断書の内容については問題無いだろうと安心していました。
実際に確認すると、
健常者と同等の内容で、こちらもビックリ。
実際は家から出ることができないほど御苦労をされているのですが、
3級にも間違いなく届かない内容。
どうやら、御本人様からあまり先生にお話しできていない可能性も。
先生ともう一度お話して、実情を反映してもらえるように一からやり直しします。
そのような時のためのお客様から社労士への御依頼ですので、頑張りたいと思います。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病のほか、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
⑨『退職代行』 9連休明け依頼最多
毎日新聞記事 引用
多くの企業や官公庁で仕事始めとなった今月6日月曜日、
本人に代わって勤務先に退職の意思を伝える退職代行サービスの依頼が急増。
「緊張の糸が切れた」
「上司から度重なるパワハラがあった」「
「体調の悪化でも有休も取得させてもらえない労働環境の悪化」
などが利用者の声として挙がっている。
※利用せざるを得ない事情がある人は、退職の一つの手段として活用することもよいかと感じます。
しかし、
基本的に労働問題は労使双方で話し合いの機会が設けられなければいけないのですが、
それができない労働環境、または意志表示ができない従業員、何かしら問題はあると考えます。
退職代行により退職を伝えられた勤務先、退職代行に頼って伝えた労働者、
双方ともこの時点で改善点があるかもしれないことを考える機会にしたいですね。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
⑧『自爆営業』禁止 指針に明記へ パワハラ該当
2024,12,25 厚生労働省
『自爆営業』(従業員がノルマを達成するため自腹で不必要な契約を結ぶこと。自動車保険の契約や共済加入を強いられるといったケース、コンビニで売れ残ったクリスマスケーキを買わされる、飲食店で注文ミスによる代金を負担させられるなど)について、
厚生労働省が対策強化に乗り出す。労働施策総合推進法に基づく指針に自爆営業がパワハラに該当する場合があると明記し、企業の対応を促す。
優越的な関係を背景とした言動
業務上必要かつ相当な範囲を超える
労働者の就業環境が害される
これらの3要素を満たす場合は、パワハラに該当すると明確化する。
年内にも指針への明記が正式決定される見通し。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
⑦医師・看護師の精神障害事案が増加傾向(過労死白書)
(月間社労士2024.11月号より引用)
厚労省はR6,10,11、令和6年版過労死等防止対策白書を公表。
医師・看護師について、H22年度からR2年度まで11年間の過労死等の労災支給決定事案(精神障害事案)を分析。それによると、医師の精神障害の労災支給決定件数は、H22年度からH27年度の6年間で10件、H28年度からR2年度までの5年間で21件となり、増加傾向であることがわかった。看護師もH22年度から10年間は10~20件前後で推移していたが、R2年に42件と急増している。発症年齢別では、医師・看護師ともに30歳代が最も多かった。
(以下、私見)
※上記のように、30歳代が最も多いとのデータが出ており、令和2年度は特に激務だったと推察されますが、これからも労災支給決定数は増加していくのではないかと、普段医療機関へ出入りしている立場からそのように感じます。雇用先の医療機関内で、夜勤の割合、配置など若手の医療従事者にかかる仕事のストレスを今一度確認する必要があるとの、白書を通してのメッセージだと考えます。
⑥最低賃金 全国平均時給1500円目標 石破茂首相
政府はR6,11,12、規制改革推進会議を開き、2020年代に全国平均時給を1500円に引き上げ、今後の検討課題へ。
あと5年ほどで最低賃金1500円。
普段、障害年金の御相談を頂いていますので個人様の家計の悩みを伺う機会が多いのですが、同時に中小企業様と顧問契約、経営の悩みなども御相談頂いている立場でもございます。双方の立場にたっても感じたこと、
それは目標とは言え性急であること。
雇用を減らす、人件費削減、人員整理の御相談が増えそうです。
数年前、同じように急激な賃金引き上げを実施した結果、雇用に混乱が生じている近隣の国の状況が数年後の日本と重なって見えます。
いまのところ総理の目標とのことですが、
今後の動向は注目です。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
⑤「厚生年金、年収問わず加入へ」厚生労働省
週20時間以上勤務のパート等にも、年収を問わず厚生年金加入へ。
年収要件を撤廃する方向で最終調整に入った。
メリットは、老後の給付が手厚くなる、障害年金請求も厚生年金で請求できる、など
デメリットは、保険料負担の増加、それによる就労意欲の減退と企業の募集機会の減少。
健康保険の被扶養者要件(130万円未満/年、60歳以上または障害厚生年金受給者は180万円未満/年)とは別になるのか、統一するのか、
今後の動きに注目が集まりそうです。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
④就労支援A型事業所の閉鎖や倒産が増加
就労支援A型事業所を取り巻く環境が厳しいとの記事は
以前から目についていましたが、ここにきて閉鎖・倒産が目立ってきました。
利用者も解雇・退職を余儀なくされ、別の事業所を探さなければいけないのですが、
多くは就労支援B型へ移行したとのこと。
雇用契約のあるA型は、ある程度の就労や収入を見込んで、
雇用契約のないB型は、賃金は低いが自分の調子に合わせて就労、
それぞれの利用目的が異なりますが、移行せざるを得ない現状。
移行できない利用者のことも含めて、
就労支援事業所の安定した経営が課題となっています。
閉鎖や倒産の増加の要因は、
厚労省による報酬改定が、加算状況の悪化につながり、
収益にも影響している点が大きい様です。
厚労省は、事業所のサービスの質により加算の差別化をはかりたい意図があると思いますが、就労支援という制度自体に悪影響となるのなら、もう一度報酬改定を見直した方がよいでしょう。
日頃、障害年金の御相談を頂いている立場から、
就労支援事業所を含めた就労の多様化、就労の選択肢を増やす事はとても大事と考えています。
厚労省には、
このまま就労支援事業所の閉鎖・倒産が増え続ける前に早急な改善をお願いしたいものです。
③『カスハラ』だけでなく『フキハラ』も注目
「企業におけるカスハラの相談件数、増加傾向に」厚労省R6,5/17
令和5年度の職場のハラスメントに関する実態調査結果について。
顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)に関する相談があった企業は約3割に上り、パワハラ・セクハラについて多いことが判明。
↑
カスハラという言葉は最近周知されてきたと感じていますが、最近では「フキハラ」なる言葉も。
フキハラ、「口調や態度で自分が不機嫌な態度であると示し、相手に不快感や威圧感などをあたえること」とあります。
「従業員の態度が横柄」、「職場の雰囲気が悪化している、何とかできないか」、などの御相談も増加中。
実は昔からある問題ですが、最近注目されるようになって御相談件数が増加したのかもしれません。
就業規則を確認してみましょう。
「フキハラ」とは記載されていなくても、職場の雰囲気を悪くしないように、との意で同様の行為はしてはいけないことが明記されていると思います。
あまりにもひどい場合は懲戒処分の対象になる事を労使とも知っておいた方がよいでしょう。
②『「心の病」が最も多い年齢層に10~20歳代急増』
日本生産性本部が11月9日に公表した2023年のメンタルヘルスの取り組みに関する企業アンケート調査結果によると、「心の病」が最も多い年齢層として10~20歳代が2021年の29.0%から43.9%と急増し、30歳代(26.8%)を初めて上回り、最も多い年齢層となった。40歳代は21.3%、50歳代以上は7.9%。コロナ過で入社した若手層がテレワーク等で対人間関係や仕事のスキルを十分に積み上げられないなか、5類以降に伴う出社回帰の変化が大きなストレスとなった可能性がある。調査は2021年に続き11回目。上場企業169社の人事担当者からの回答を集計した。(月間社労士2023,12月分引用)
※統計的には若手層が最も多い結果となりましたが、どの年齢層でも「心の病」は多いことには変わりないです。
上記に「変化が大きなストレスとなった可能性がある。」とあるように、日常生活や仕事環境の変化はうつ病など精神疾患発症のリスクが高いことは周知のとおりです。企業や人事担当も安易に転勤や配置換えなど実施する前に、このような心の病発症のリスクがあることも十分に検討したうえで実施することが肝要です。
①『マイナ保険証保有しないすべての人に資格確認書』
厚労省は8月24日、社会保障審議会医療保険部会を開き、デジタル庁のマイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会の最終とりまとめを報告した。
令和6年秋の健康保険証廃止後は、マイナ保険証によるオンライン資格確認を基本とするが、当分の間はマイナ保険証を保有しないすべての人を対象に資格確認書を申請によらず交付する。1年を上限とした有効期限も、5年以内で保険者が設定するとした。
一方、同省はマイナ保険証の利用による限度額適用認定証の発行減や再請求事務の減少等により、現状の利用登録率(52%)で約80億円、利用登録率70%で約100億円のコスト減になると試算した。
社会保険審査会 裁決事例⑧『会社代表権を争っている期間の被保険者資格』
⑧月間社労士 2024、12月号より引用
【概要】請求人が監査役に選任された株主総会決議は裁判で不存在とされ、請求人に対する給与の支給も代表権がない者によって行われたとして、監査人の地位にある期間に被保険者資格を有していたことを確認する再審査請求を棄却した事例。(令和3年裁決)
【問題点】
a社の創業者Aとその子Bに対して、C(Aの妹)および請求人(Cの子)との間で支配権に関する争いが生じた。
Cは、a社の株主総会及び取締役会により代表取締役に就任したとし、同日の臨時株主総会で唯一の出席株主であるa社の代表者として議決権を行使、取締役8人中7人を解任し、Cほか1名を同社の取締役に、請求人を同社の監査役に選任する旨を決議した。
他方、これらの動きを察知したA側は、同日付で株主総会決議を行い、Cを取締役から、請求人を監査役からそれぞれ解任し、Aを代表取締役に選任する旨の決議をした。
これらの効力をめぐって双方が地方裁判所に仮処分を申請したところ、Cに対してa社の株主総会決議は法律上不存在、取締役会と取締役会決議は無効、との決定。
【審査会の判断】
Cは請求人に対し、報酬を支給したが、a社の利害関係人がその効力を認めておらず、監査役としてどのような業務を行ったのかを明らかにする資料も無い。
a社に「使用される者」とは認められず、以降はA側とC側の双方が互いに利害関係人の代表者を主張し、相手側の業務執行を認めない状況にあったところ、このような状況の中で、客観的な業務執行と認めるに足る資料は無い。
このことから、請求人の再審査請求は棄却とされた。
※業務執行権が空白状態では、何を主張しても認められにくいといった事例のうちの一つとなります。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
⑤月間社労士 2024,5月号より引用
【概要】
亡Aが死亡する3か月頃前まで交流があったこと等を理由に、利害関係者(戸籍上の妻)との婚姻関係が形骸化しているとは認められないとして、請求人(内縁の妻)に対する遺族厚生年金等を支給しないとした原処分を取り消した事例
【事実の確認】
Aは戸籍上の妻と婚姻し、その間に長男が出産した。Aの両親や弟妹と同居。
その後、Aは請求人と親密な関係となり、別の場所にアパートを借り、以降請求人と同居し、夫婦として生活してきた。Aと請求人の間に子は無い。
Aは長男が小学校の高学年となる頃から大学を卒業するまで、戸籍上の妻に対し、養育費として毎月13万円を渡してきた。
Aは、死亡する10年頃前からは年に1回程度、戸籍上の妻宅を訪れたが、その頃から痴呆が始まり、5年前頃には請求人が、Aの意を慮って年1回程度、孫に会わせるためにAを車に乗せて戸籍上の妻宅を訪れていた。
【事実の認定】
Aと戸籍上の妻との婚姻後の同居期間が7年余であるのに対し、請求人とAは、その後50年以上に亘り同居して夫婦として生活してきた。この間、Aは、長男の養育費を負担したが、その後は継続的な婚姻費用の負担があったとは認められないし、年1回程度、戸籍上の妻宅を訪れたことも子や孫に会うことが主たる目的であり、戸籍上の妻との交流は希薄であったことがうかがわれる。Aの死亡当時、戸籍上の妻のと婚姻関係は、実態を失って形骸化し、その状態が固定化して近い将来解消される見込みはなく、事実上の離婚状態にあったものと認められる。
【結果】
請求人には、Aにかかる遺族厚生年金及び未支給年金が支給されるべきであり、これと異なる原処分は相当でないから取り消す。(令和3年裁決)
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
④月間社労士 2024,3月号より引用
性別適合手術で生殖腺がないことによる症状を主訴とするホルモン補充療法等に要した費用について、
療養費の支給を求めた請求人の再審査請求を棄却した事例。
【経緯】
請求人は男性として出生したが、性別適合手術により生殖腺がなくなり、家庭裁判所による性別の取扱いを男から女に変更する旨の審判を受けていた。
これまでのホルモン補充療法等の負担費用に対し、療養費の支給を申請したところ、「保険適用外の診療のため。(保険適応外の診療をうけたことについて、やむを得ないと認めることができないため。)」との理由で、療養費を支給しないとする旨の処分をされていた。
【審査会の判断】
保険外診療であること。
担当医師は、本件診療を保険外診療として行うことを請求人に説明し、請求人もそれを了承した上で本件診療が行われたものと認められる。
この経緯に照らせば、原処分は妥当であって、取り消すことができず、本件再審査請求を棄却する。
(令和3年裁決)
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病のほか、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
③月間社労士 2024、1月号より引用
病院に診療録が残っておらず、障害年金の請求に係る傷病の初診日について確認することができないことを理由に請求人の裁定請求を却下した原処分を取り消した事例(=障害基礎年金の支給が認められた)令和2年裁定
統合失調症にて障害基礎年金請求
「初診日を確認することができないため」不支給決定
【審査会の判断】
●初診日の医療機関には診療録が残っておらず、本人申立てによるもののみでは直ちに採用することは出来ない。
●提出された第三者証明では、受診していた事を「聞いたことがある」と記載されているが、30年以上前のことに係る記憶の正確性、信用性を認める特段の事情は認められない。
●提出された本人のノートの記載も、当時に記載されたものであるかは明らかではなく、これをもって初診日を認めることは出来ない。
●他に有力な資料は提出されていない。
上記のように、提出書類からは本人申立ての初診日とは認められないとしつつも、
〇「審査会が(独自に)取り寄せた他の受診していた病院の診療録には、初診日の病院にその頃から入院していた記録がある」
〇「その入院中に知り合った者が入院中の請求人に郵送した手紙(1日も早い回復を祈っている旨記載)には、初診日の頃の消印があることが認められる」
〇「初診日にかかる入院中に、院内のテニス大会で優勝した記録が残されている」
という新たな情報により、初診日は本人主張の日付で疑いが無いことが認められた。
以上の次第で、年金機構(厚生労働大臣)の原処分(裁定を却下)は、妥当でないから取り消すこととする。
※障害年金の請求手続きで、初診日がかなり昔であるため、初診日証明が取得できないケースは多いです。
その場合、第三者証明を添付することで初診日を主張するのですが、今回の裁定例のように正確性と信用性を疑われることが多いことがわかります。それらをふまえて立証できる資料を揃えて提出するのですが、なにもない場合は初診日の主張は認められないことが一般的です。
しかし、
今回の裁定例で注目すべきことですが、
『社会保険審査会が独自に資料を取り寄せて、その内容が請求人の主張を立証できる』として裁定結果が覆った
ことについて、かなり踏み込んだ調査をしたと感じます。
このような調査をしてくれるのであれば、より事実に基づいた裁定ができますので、良いお仕事をされたと感心しております。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病のほか、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
②月間社労士 2023,9月号より引用
概要:
療養費の支給対象となる疾病に該当しないとして、左下肢原発性リンパ浮腫の治療装具の購入(弾性ストッキング)に要した費用を療養費の支給対象としないとした原処分を取り消した事例。
支給対象疾病:
『弾性ストッキング』の支給対象疾病として、
「リンパ節郭清術を伴う悪性腫瘍(悪性黒色腫、乳腺をはじめとする腋窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍、子宮悪性腫瘍、前立腺悪性腫瘍及び膀胱をはじめとする泌尿器系の骨盤内のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍)の術後に発生する四肢のリンパ浮腫」
保険者組合は上記の疾病に該当しないため、支給できないとの判断だった。
審査会の判断:
「請求人の疾病は、上記に列挙されている対象疾病に含まれないことは明らかである」としつつも、
弾性ストッキングによる患肢の圧迫効果は広く認められており、さらにリンパ浮腫を放置すると、ちょっとした傷でも重篤な感染症を引き起こしたり、また、軽い感染症を繰り返すことにより、皮膚の硬化等の器質的障害を引き起こす可能性があることを考慮すると、「弾性ストッキングの装着は、その唯一ともいえる予防的治療法であるといえる。」
とし、
「対象疾病に列挙された以外の疾病による場合は全く支給しないとする趣旨は相当でない」
「当該傷病の治療上における弾性ストッキングの必要性、有効性は確認されていることからすれば、当該傷病について、その原発性であることを理由に支給対象から除外することは療養費の支給の趣旨・目的に照らして合理的なものであるとは言えない」
結果:
原処分を取り消す(支給することとなった)。
ポイント:
支給対象疾病は重要な判断基準ですが、制度の趣旨・目的によっては支給対象疾病に列挙されていなくても該当する可能性があるという判例でした。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(原則65歳まで)。
①月間社労士 2023年7月号より引用。
☆法定免除対象者に該当しながら、それを知らずに国民年金保険料及び国民年金基金の掛け金を長期にわたって納付していた請求人の再審査請求を棄却した事例。
●再審査請求の趣旨
①国民年金保険料の免除を取り消す
②国民年金基金の資格喪失処分を取り消す
※保険料を納め続けていたので納付済みとして処理してほしいとの意
●経緯:
20歳前障害(てんかん)により障害基礎年金2級を受給することとなった。
これにより年金保険料の『法定免除者』に該当するもそのことを知らず
引き続き年金保険料と国民年金基金の掛金を納付してきた。
保険者は所外基礎年金2級を受給していることは把握しておらず、所定の納付書を送付して保険料の納付を促していたものと推認される。
年金事務所は国民年金保険料法定免除理由該当届の提出を促していた。
国民年金基金は、資格喪失届の提出を促す書類を送付した。
●社会保険審査会の判断:
請求人は
①保険料免除を取り消すことを求めているが、法律上当然に保険料を納付することを要しないことに対して特段の処分がされることはない。不適法として却下。
※(法律上保険料免除と認められている)法定免除に対して、その保険料免除を取り消すという概念がないので再審査請求は却下という意。
②国民年金基金の資格喪失処分を取り消しを求めているが、国民年金基金は資格喪失届の提出を促す書面を送付したにとどまり、実際に資格喪失届が提出、資格喪失処分がされたと認める資料は無いため不適法として却下。
※実際に資格喪失がされていないものに対して、資格喪失処分の取り消しを求めること自体適法ではないという意。
ポイント:
法定免除に該当していたが知らずに保険料を納め続けていた請求人。
実際に保険料を納めたのなら免除対象をはずして納付済みとして処分してほしいとの趣旨。
保険者の説明不足は不当と認めつつも、保険者が処分した手続の結果としての不服とは異なるので
この社会保険審査会に提出する案件ではなく却下されたという事例。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(原則65歳まで)。
R6,12,17
「障害年金制度の見直しについて」④ 改正検討予定 厚労省2025
前回①②③の続きです。
【障害年金と就労収入の調整】
現行:原則として、就労収入を得たとしても、直ちに障害年金が支給停止や減額になる事は無い(20歳前障害を除く)。他方、障害の種別によっては、更新時の就労状況によって障害等級の変更がおこなわれ、その結果として支給停止や減額が行われることがある。
↓
検討:老齢年金では、在職老齢年金という制度があり、一定以上の賃金を得ている厚生年金加入者に対して、老齢厚生年金の全部または一部の支給を停止する仕組みがあるが、障害年金にはそのような仕組みは無い。同一条件にするべきか。
↓
課題:
拠出制の年金について所得制限を入れることは、社会保険の理論と相反する。
障害の種別、認定基準、日常生活への影響など、それぞれ状況が異なる。
いつの所得で判断し、いつの給付から反映するか実務上の体制整備が必要。
※個人的には、一つ目の課題「社会保険の理論と相反する」という、原点を考えれば、就労収入との調整をすることは難しいと考えます。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
R6,12,15
「障害年金制度の見直しについて」③ 改正検討予定 厚労省2025
前回①②の続きです。
【障害年金受給者の国民年金保険料免除の取り扱い】
現行:障害等級が2級以上の場合、国民年金保険料の納付は法定免除となるが、65歳までに障害の渋滞が軽減し、障害基礎年金の支給が停止された場合、65歳以降は法定免除期間は保険料納付期間に算入されず、減額された老齢基礎年金を受給することとなる(保険料の納付した”期間”については反映されるが、”年金額”には反映されない)。
↓
検討:障害年金受給期間の法定免除期間について、保険料納付済期間と同様にすることによって、65歳以降の老齢基礎年金の受給額に反映。
↓
課題:障害年金受給者のみ認めると、
生活保護者など他の法定免除対象者との公平性
低所得者などが対象となる申請免除との公平性
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
R6,12,13
「障害年金制度の見直しについて」② 改正検討予定 厚労省2025
前回の続きです。
【事後重症の場合】
現行:障害認定日に障害等級に該当していなかった者でも、
その後症状が悪化し、65歳到達の前日までに障害等級に該当し、本人からの請求があった場合は、
請求日に受給権が発生。
↓
検討:事後重症の場合でも、障害等級に該当するに至った日が診断書で確認できるのであれば、
その翌月まで遡って障害年金を支給することを認めるべきかどうか。
↓
効果:障害の状態に該当した時点から申請手続きが遅くなってしまったケース等について、
障害年金が遡及して支給される。
初診日において、加入要件と保険料納付要件を満たしているのであれば、法改正により事後重症の遡及認定
を認めるは、保険原理の観点で問題は無い。
一方で過去にさかのぼって認定できるかどうかという実務上の問題が生じる。
※上記のような検討がされる予定ですが、特段に難しいといった印象を受けないので、
ぜひ法改正の実施を願います。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
R6,12,10
「障害年金制度の見直しについて」改正検討予定 厚労省2025
重要な項目が数点、検討されていますので
順次御紹介。
【障害厚生年金 初診日要件】
現状:保険(厚生年金保険)加入中に発生した傷病に対して該当
↓
検討:延長保護(厚生年金の資格喪失後も一定期間まで認める)、
長期要件(厚生年金保険料の納付期間が一定以上であれば、資格喪失後の保険事故も認める)、
↓
効果:初診日のわずかな日の違いによって受給できなかった場合や、これまで長期間厚生年金保険を納付してきたにもかかわらず、保険事故発生時点で厚生年金加入期間中ではなかったために受給できなかった場合等についても、障害厚生年金が受給できる。
※随分以前から不公平な点として指摘されてきた件ですね。これは是非とも検討を進めて頂き、早期に実現してほしいものです。
次回は、【事後重症の支給開始時点】について。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
R6,12,1
「CSとエアコン」
以前、CS=化学物質過敏症で障害年金の手続を進め、
無事に2級に認定されたお客様。
自宅での療養中に新品のエアコンにも反応してしまい、
喘息など気管支炎がとまらない。
せっかく購入したエアコンですが、もう捨てようかと検討中。
新品のエアコンの内外で使用されているプラスチックからも
化学物質が蒸散。
特に、エアコンのプラスチックパーツを製造するときに
金型から外れやすくするために金型表面に塗られた離型剤。
新品のプラスチック製品を触ると少しぬるぬるしていたり、
ゴムのような臭いがすることがありますが、
それが離型剤とのことです。
かなり身体にも悪いのですが、
CS患者さんにとっては猛毒。
「同病気の人は汚れ防止加工のコートがされていないエアコンを買うのがよいかと」
とのお話をいただきました。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
R6,11,11
「障害年金 うつ病」 検索 → 「難しい」
「障害年金 うつ病」 と 検索すると、
「難しい」というワードが出てきたので開いてみました。
うつ病をはじめ、どの病気での手続きもスムーズに行く場合とそうでない場合があり、
それぞれ異なっていると考えていましたので、
どの様な点が難しいのか、共通している点なのか、
確認してみました。
そこには、
「医師の診断書には実情より軽く反映されている」点が
手続の上で「難しい」と主張されていました。
しかし、
しっかりと問診などにより、患者様が思っている以上に病状を反映してくれる医師もいらっしゃいますので、全てのケースが「難しい」に該当する訳では無いので、
はじめて手続きを進めるひとにとっては解釈に注意が必要だと感じます。
ただ、
主張の通り、実情よりも軽く反映された診断書のケースもあり、その場合には難易度がはねあがる点もうなずけます。
結局は、手続きよりも以前に、お医者さん探しが一番難しいのかもしれません。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
R6,10,4
視力の低下原因について
急な視力低下で障害年金の手続を検討、
先生の診断書を確認したところ、
「視力低下の原因が不明」
「視力機能の損傷も認められない」
「心因的な原因だと考えられる」
このような内容では視力の障害として障害年金が認められにくく、
「心療内科で受診、診断書の取得」
を指示されることがあります。
視力の低下→心因性 はスムーズに認められないことが予想されるので要注意。
R6,8,21
化学物質過敏症について
新規請求者については以前より認定がかなり厳しくなっていますが、
更新については、数名のお客様の御依頼を受け手続きをした結果から判断するに、
以前の症状の重さでも認定されている状況。
この矛盾について、
審査請求や再審査請求で不服の一つとして主張しても認めてもらえていません。
一時的な傾向なのでしょうか、
または
このまま継続されていくのでしょうか。
今後の注目点です。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
●『介護者を車いすに乗せたまま階段を引き上げ中、心不全発症』(月間社労士2024,11月号より引用) → 請求を棄却(不服申立は認められず)
【経緯】
介護支援に従事していた被災者は、ある日介護利用者を車いすに乗せた状態で、介護タクシーの運転手と2人で車いすごと階段を引き上げている途中、意識を失い、医療機関に救急搬送、治療を受けていたが死亡。直接死因「心不全」。労基署長は労災と認めず、審査請求を経て再審査請求に至る。
【事実認定及び審査会の判断】
判断基準「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く)の認定基準について」
・異常な出来事への遭遇について:
請求者による、転倒して頭部を負傷した介護利用者への対応という精神的負荷の主張に対し、救急車に同乗して医療機関に付き添い、特に入院も無く帰宅となった経緯から該当しない。
また、身体的負荷についても、車いすの引き上げ中に常時50kgを超える負荷がかかっていたとする主張も、階段の段ごとに1~1.5秒ほどで常時ではなく、介護タクシー運転者も
協力している分、身体的負荷も軽減されている。
結果、医学的には心停止の直接原因になったとは考え難い。
・就業時間について:
発症の前日と前々日は土日で休暇日、1か月時間外労働も100時間未満、平均80時間未満であり、短時間過重業務や長時間過重業務は認められない。
【結果】
「異常な出来事への遭遇」「短時間の過重労働」「長時間の過重労働」に該当せず、業務上の事由によるものということはできない。請求を棄却する。
※タイトルだけみると、労災ではないかと感じましたが、病気の種類や発症原因によってそれぞれ認定基準があり、それらに該当しなければ労災とは認められない、というケースでした。腰、肩、脊椎なども、同様のケースが多いです。
●『上司からひどい嫌がらせを受け、精神障害を発病 R2裁決』(月間社労士2024,9月号より引用)→ 原処分の取り消し(不服申立が認められた)
【経緯】
派遣元でも派遣先でもまともな社員教育や専門的な技術教育を受けず、派遣先の上司からひどい嫌がらせを受けた請求人は、精神障害を発病。休業補償給付を請求したところ、監督署長はこれを支給しない旨の処分をした。これを不服として審査請求を経て再審査請求をしたもの。
【審査会の判断】
(精神障害の判断基準については、厚生労働省労働基準局長が策定した「心理的負荷による精神障害の認定基準について」に基づいて検討。)
請求人の本件疾病の発病前おおむね6か月間における業務による心理的負荷をもたらす出来事として、
①派遣先から必要な研修を受けられず必要以上の叱責を受けたこと。
②上司のFから請求人の人格を否定する、侮辱する嫌がらせを執拗に受けたこと。
③実態と異なる労働時間の申告をされたこと。
④虚偽の内容の報告書の作成を強制されたこと。
⑤派遣先がFに対して適切な対応をしなかったこと。
が挙げられていた。
検討の結果、全ての項目で事実があったことが認められ、請求人はFから頻繁に
人格を否定する、侮辱する言動により厳しく叱責されており、
認定基準別表の具体的出来事「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」に当てはめて評価すると、心理的負荷の総合評価の程度は「強」と判断するのが相当。
以上により、本件疾病は業務上の事由によるものと認められ、本件処分を取り消す。
※いじめなどによる労災認定は、認定基準に基づいて検討されます。発症前おおむね6か月間の状況がポイントです。
●『通常業務より厳しい研修に参加、時間外が月平均90時間超す R2裁決』(月間社労士2024,6月号より引用)→ 原処分の取り消し(不服申立が認められた)
【経緯】
通常の勤務より拘束時間が長く、厳しい研修に参加していた被災者が会社の寮で「致死性不整脈」を発症、死亡した。社会保険審査会は被災者の疾病が認定基準の対象疾病に該当し、時間外労働が月平均90時間を超すなど「長時間の過重業務」が認められるとして、被災者の本件疾病の発症及び死亡は業務上の事由によるものであると判断、処分の取り消しを採決した。
【審査会の事実認定】
被災者は、製造業務に従事、研修に参加。
審査会は研修の座学・実習・研修終了後の自由参加の英語研修(実際は強制参加と判断するのが相当)などの開始から終了までの時間を確認。
1週間における時間外労働は17時間30分であり、過重な業務とは言えない。
しかし、
発症前6か月の時間外労働は、発症前2か月平均で90時間36分と80時間を超えており、長期間の過重な業務に従事していたことが認められる。
【審査会の判断】
『脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く)の認定基準について』(平成13年12月12日付け基発第1063号)の認定基準に基づいて検討した結果、本件疾患は認定基準の対象疾患に該当し、「長期間の過重労働業務」が認められることから、被災者の本件疾病の発症及び死亡は、業務上の事由によるものと認められることから、本件処分を取り消すこととする。
※今回の再審査請求で、請求人がパソコンログインとログアウトをそれぞれ始業終業の時刻にすることを主張しましたが、被災者がログインとログアウトに関する時刻に始業終業をしたという裏付ける資料が無かったことから採用されませんでした。
パソコンのログインログアウトを始業終業と主張するには裏付け資料がなければ認められないという裁定結果も注目したいです。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
●『交通事故でトラウマに、精神障害発症後の治癒判断に不服 R2裁決』(月間社労士2024,4月号より引用) → 棄却
【経緯】
請求人は、帰宅途上、交通事故に遭遇、トラウマを訴え、医療機関で精神障害の診断を受け治療、通勤災害として休業給付を受けていたが、その後、労働基準監督署から症状固定(治癒)の処分を受けた。請求人は、未だ治癒していないとして監督署長の処分は誤りであるとして、その取り消しを求め、労働保険審査会に再審査請求したものである。
【争点】
請求人に発症した本件疾病は平成29年をもって症状固定(治癒)したものであると認められるか否かにある。
【審査会の判断】
請求人はH27にD医療機関を受診。その後2件の医療機関を受診。
事故から約1年後に通常就労し、2件目にあたるE医療機関では精神症状は確認出来ないとの診断を受ける。
3件目のF医療機関を受診後、請求人自らの判断によってH29に最終受診。その後本件について通院を必要としない6か月間の無治療期間を置いた。
上記からH29に最終受診となった日をもって症状固定(治癒)したとした監督署長の判断に誤りはない。
よって、本件処分(監督署長の治癒判断)は妥当であり、これを取り消す理由はないから、請求人の再審査請求を棄却する。
※労災により休業(補償)給付を受けていると、治療の進捗状況によって監督署から症状固定→休業(補償)給付を打ち止める、と通告される流れとなります。
休業(補償)給付の後は、後遺症が残っていれば障害(補償)給付などに移行、または後遺症が残っていない場合は支給終了することとなります。
請求人にとっては休業(補償)給付を受け続けていたほうが有利だったと推察できますが、上記のように相当期間にわたり医療機関に受診していない場合は、治癒したものと判断されても致し方ないと感じました。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
●『司法書士・行政書士の労働制を巡る判断 R2裁決』(月間社労士2024,2月号より引用)
【経緯】請求人は、司法書士・行政書士の資格を得て、ある事業所の代表から請われて同業務に従事していた。ところが、過重な業務、長時間労働に加え、代表からの厳しい叱責などから「うつ病」を発病。療養と休業を重ね、これらの疾病は業務上のものだとして療養補償給付と休業補償給付の請求をしたが、労働者として認められないとして不支給決定された。
【審査会の判断】請求人は役員扱いとはなっているが、登記簿上には記載がない。請求人には諾否の事由はなく、拒否権は無い。仕事の内容も大半が代表がとってきた業務であり、指揮監督を厳しく行っていた事実がある。出退勤の報告もSNSで報告義務。報酬は受注した件数に応じた内容では無く、定額であった。
上記のように、指揮命令関係及び報酬の労務対償性のいずれも肯定し得る事であり、請求人が業務を独自に事業展開していたことを裏付ける資料も認められない。
【結果】請求人が労働者に当たらない事を理由として不支給とした本件処分は失当であるから、これを取り消す。
※士業が請われて同業務に従事することはよくあることですが、今回の事例のように指揮命令関係や報酬の内容など実態をみると、名目上は独立した事業所とされていても労働者と認定されます。
※今回の事例では『付言』として、「なお、休業補償給付及び療養補償給付の支給要件は”労働者性があることに限られない”から、(不支給決定をした)監督署長としては、その他の支給要件についても十分に調査・検討の上、新たな処分をすべきことを付言する」と監督署長あてに特に記載されていることが注目点です。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病のほか、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
● 『営業職が職場で「心筋梗塞」を発症、心停止で死亡 R2裁決』 (月間社労士2023年12月号より引用)
【経緯】営業職の被災者が職場で倒れ、医療機関に救急搬送、「心筋梗塞」との診断を受けるも当日死亡が確認された。直接死因「心筋梗塞疑い」。労働基準監督署長は労災とは認めず不支給処分。死亡者家族が不服として決定の取り消しを求める。
【事実認定及び審査会の判断】
本件疾病を含む虚血性心疾患の業務起因性の判断基準は、「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く)の認定基準について」のとおり。
・始業時刻、休憩時刻、終業時刻、休日出勤については特に異常な状況が認められない。
・異常な出来事、短時間の過重業務、長時間の過重業務についても認められない。
・業務以外の要因(健康状態等)については、20歳の頃からの喫煙習慣や高脂血症による投薬治療を受けていた。
【結果】認定基準により本件疾病及び死亡は業務上の事由によるものという事ができない。よって、本件処分は妥当であって審査請求を棄却と裁決。
※ポイント
業務中に発症しただけでは、直ちに労災と認められるわけではなく、それぞれの疾病に関する認定基準にそって判断されます。
● 『取締役の労働者性判断で労働者認める R2年裁決』 (月間社労士2023年10月号 より引用)
【経緯】請求人は会社の取締役兼出先センターの責任者として各種食料品の入庫・仕分・出庫業務等に従事していた。ある日、出勤のため自宅を出る直前、意識を失い、医療機関に搬送され、『高血圧性脳出血、高血圧、右半身麻痺、構音障害』の診断を受け療養・休業した。請求人はこの発病は業務上の事由によるものであるとして請求したが支給しない旨の処分をされた。
【事実認定及び審査会の判断】
昭和34年1月26日付け基発第48号は、法人の重役の取扱いについて、「法人の取締役等の地位にあるもので、法令、定款等の規定に基づいて業務執行権を有すると認められる者”以外の者”で、業務執行権を有する取締役等の指揮、監督を受けて労働に従事し、その対象として賃金を得ている者は、労働者として取り扱うこと」と定めている。
従って、法人の業務執行権を有していない取締役等が使用者から指揮命令を受けて労働に従事し、その労働の対価として賃金を受けている場合には、労働者と解されることから
請求者の状況を以下について検討。
・業務執行権の有無 → 業務方針を決定する権限ではなく、決定された方針を執行する権限
・取締役としての職務の執行状況について → 所長会議等に出席していたことはあるが、取締役会には全く出席していなかった。
・取締役以外の職務の状況について → 代表取締役や役付取締役からの指揮命令を受けて働いていたものと認めることができる。
・請求人の取締役就任について → 労働者として雇入れ後、会社の取締役に就任、その際退職手続はとっていない。さらに雇用保険の被保険者として扱われている。
・報酬の労務対償性について → 会社から得ていた報酬の名目は役員報酬であるが、その中には、労働の対価である賃金が含まれているものと認めることができる。
上記により、請求人は労働者であるというべきところ、労働者に該当しないとされた本件処分は相当ではない(労働者として労災受給を認められた)。
※ポイント
役員という名目だけではなく、実情から判断することになります。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(手続きは原則65歳まで)。
● 『会計監査業務に従事していた者に発症した脳出血 R2年裁決』 (月間社労士2023年8月号 より引用)
【経緯】
請求人の亡き家族(被災者)は、会社のチーフマネージャーとして複数の会社の会計監査業務に従事。
ある日の深夜、家族が大きな物音に気付き起床したところ、被災者が「体が動かない」と言い、病院へ救急搬送、手術を受けるも同日死亡が確認された。医師の意見書には「右被殻出血」、死亡診断書には直接死因「脳出血」と記載されている。請求人は、被災者の死亡は業務上の事由によるものとして請求したが監督署長は支給しない旨の処分。
【審査会の判断】
認定基準(脳血管疾患及び虚血性心疾患等)に基づき、
・発症前の異常な出来事の有無 → 事実なし
・発症前の短期間における業務の過重負荷の有無 → 1週間70時間弱 → 認められない
・発症前の長期間における業務の過重負荷の有無 → 前1か月の時間外労働108時間59分 → 業務と発症との関連性が強いと評価できるとされている”おおむね100時間”を超える。また、これ以外にも自宅において休日や深夜に業務を行っていた事が認められる。
【裁決】
労災保険による遺族補償級および葬祭料を支給しない旨の処分は、これを取り消す(請求者側の主張が認められた)
ポイント:
認定基準 ①発症前の異常な出来事の有無・②発症前の短期間における業務の過重負荷の有無・③発症前の長期間における業務の過重負荷の有無 に基づいて判断するが、監督署は実際に打刻されたタイムカードで判断したが、実際は会社貸与のパソコンの作業時間で判断すると③が有となり裁決が覆った。
兵庫県加古川市の障害年金専門社会保険労務士
障害年金 まつざき特定社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 松崎洋治
手続きは全国対応で承っております。
うつ病の他、ほとんどの傷病が障害年金の対象となり得ます(原則65歳まで)。